富士山頂における夏季の大気中水銀の連続観測

1.氏 名:永淵 修 Osamu NAGAFUCHI
2.所 属:滋賀県立大学 University of Shiga Prefecture
3.共同研究者氏名・所属
横田 久里子(豊橋技術科学大学), 中澤 暦(滋賀県立大学)

4.研究成果の概要

自由対流圏における大気中水銀の連続観測を行い、CO,O3等のガス状物質との関連から大気中水銀の長距離越境輸送について検討する。ここでは、大気中水銀の濃度変動から、高濃度時(8月15日)と低濃度時(8月17日)を抽出し、風向、風速および流跡線解析の結果と比較した。

図-1全観測期間中の風向風速
図-1全観測期間中の風向風速


図-1に8月1日からの観測期間中の風向・風速を示す。西風の時は6m以上の風速の頻度が高かった。東北東から東の風の時は、6m以下の風の頻度が高かった。


図-2に水銀とCO、O3の濃度変動を示す。
CO,O3は首都大学東京の加藤氏からの提供データである。高濃度時の山頂の風向は南西の風、低濃度時は西風及び南西の風で、風速は6m以上であった。しかし、流跡線解析の結果、高濃度時は大陸からの気塊であり低濃度時は太平洋側からの気塊であった。




                   図-2 水銀高濃度時と低濃度時の風向風速およびバックトラジェクトリ
                   図-2 水銀高濃度時と低濃度時の風向風速およびバックトラジェクトリ