富士山頂における一酸化炭素, オゾン, 二酸化硫黄の夏季長期測定

Long term observation of carbon monoxide, ozone, and sulfur dioxide during summer at the summit of Mt. Fuji

 

氏名 加藤俊吾 / Shungo KATO

所属 首都大学東京 / Tokyo Metropolitan University

共同研究者氏名/所属 

 

研究結果の概要
富士山頂において大気中の一酸化炭素(CO)、オゾン(O3)、二酸化硫黄(SO2)の連続測定を行い、2016年7月14日~8月23日にかけて観測データを得た。COは車の排気ガスや工場など燃焼により発生するため、汚染大気が上空の富士山頂に輸送されてきている指標となる。O3は汚染大気が日射により化学反応を起こすことで生成し、高濃度だと植物や人体に悪影響があるため、関東地方に流れ込む前の大気を測定できると考えられる富士山頂での濃度を把握しておくことは重要である。

2016年の夏季の観測期間では、CO,O3が同じような濃度変動をすることが多く、空気が清浄な太平洋から来たのか汚染大気の発生源地域から来たのかを反映していると考えられる。また、7月中旬と8月中旬にO3だけが高濃度になる期間がみられたが、オゾン層のある成層圏の影響を受けていたのではないかと考えられる。SO2については濃度が上昇するイベントが3回観測されたが、日本国内にある火山の噴煙の影響である可能性が高い。しかし、昨年度に同様に観測されたピークに比べて濃度が低く、浅間山の火山活動が昨年よりすくないことが影響をしているのかもしれない。

 

 
 

(英語表記) 

Atmospheric CO, O3, and SO2 were observed at the summit of Mt. Fuji during summer in 2016.
High CO and O3 were observed at same time caused by long range transport of atmospheric pollutants. Influence of stratospheric O3 was also observed. High SO2 influenced by volcanic activities of other mountains were observed three times.